母が肉父がケーキを切る聖夜  森篤史

男性が肉、女性が甘いものを好むというような性差の先入観から解放された、自由な家族の空気に笑顔がこぼれる。
ケーキを丁寧に切るのがうまい父と、豪快に肉を切り分ける母。母と父が率先して聖夜を盛り上げている。
さりげない言葉遣いで詠まれているところにも、臨場感が出ていていい。

「古志青年部作品集2017」(古志社)より。