白日傘二青年入り天の如し  関悦史

日傘の相合傘、青年同志ともなれば、同性愛の香気が漂う。ただの日傘ではなく「白」であることが、純白、潔白、清らかで純粋な二人の関係を象徴している。
「天の如し」という比喩からは、〈かたつむり踏まれしのちは天の如し 阿部青鞋〉を思い出す。かたつむりのぐにゃりとした不定形の身体と、それが踏まれた=死んだというタナトスのイメージとが、この句の背後にひたひたと忍び寄る。

句集『花咲く機械状独身者たちの活造り』(港の人、2017年)より。