タイトルが「インスタグラム」とあるから、この「いいね」はインスタグラムの「いいね」だと思うが、facebookもTwitterも今は「いいね」のボタンがあるから、本当に物凄い量の「いいね」が飛び交っているのだろう。しかしSNSのコミュニティー内にいると、みんなSNSをしているかの錯覚に陥るが、存外参加していない人もたくさんいる。その錯覚を思うと、この「国中」という表現が大袈裟で滑稽だ。実際「いいね」は世界中を飛び交っているし、そこを国中とすることで意識がどんどん閉鎖的になる。どんどん狭くなっていく場所を占めていく「いいね」が暑さを増幅していく気がする。
『澤』平成29年8月号より。