露の世や畑の中のラブホテル 折勝家鴨

田舎のラブホテルは、本当に唐突に現れる。田んぼや畑の脇道を進んでいると、古びた看板があり、目線をその先にやるとやはり同じように古びたラブホテルがあるのだ。地元の高校生の間では有名だったりする。
しかし季語を露の世とすることで題材のもつ俗っぽさから儚さへと引き寄せる。愛を感じさせてくれる。

句集『ログインパスワード』(2017年2月 ふらんす堂)より。