窓のなき地下教室やそぞろ寒  復本鬼ヶ城

むしろ、窓のある地下教室の方が珍しいのではないだろうか。
会社でも、地下に入ると途端に息苦しい閉塞感に襲われる。そんなに外を求めているつもりはなくても、無意識に光を、それも人口のものではなく太陽光を求めているのだと、地下に入ると思う。

そして、地下は寒いものだ。光が入らない場所と寒い場所というのは、通じるところがあるが、その寒さにも季節はある。暖房の入っているいないにかかわらず、屋内に入ると暖かいものなのだが、冬の地下はそういかない。

教室には人がいないのか。しんとした寒さが伝わってくるようである。

『俳句界』11月号(文学の森)より。
俳句の未来人というコーナーに、私とる理ちゃんが句を寄せています。