文明や冬銀河とは背負ふもの 山田露結

「中古の夢」(週刊俳句242号)より

冬は星がきれいだ。その澄んだ空を幾度も見上げるが、それと同じくらい、人々は縮こまって道を進むのではないだろうか。それは、いくら文明が進んでも同じことで、どれだけ着こんでも寒い冬は、背中が丸くなる。まるで、星空を背負うかのように。「文明や」と大きなものを持ってきて切っているものの、再びすぐ「冬銀河」と大きなものを持ってきている。文明よりも広がりを見せる冬銀河が後にくることで、この句はより広がり、人間の背中も、それらを背負えるのであれば、悪くないものだなぁと思う。