葱畑あの世というはこの辺り
たまに、近いけれどよく知らない道を歩くと愉しい。家から少し奥に行くと道の交差が直角でなくなっていて、そうすると方向が分からなくなる。自慢したい程の方向音痴だから、西へ西へ歩いているつもりが、とんでもない方に日が沈み始めたりする。
また、知った道のつもりが、季節によって思い掛けない花に気付く。この家にこんな大きなミモザがあったっけ、とか、こんな素敵な梅が此処にあったっけと驚く。なんのことはない、その木の咲く季節に其処を通っていなかっただけのことである。なんという自己中心的驚き。
よく行く公園は、周囲に何本もの道を放っていて、そのいくつかの道は通ったことがない。すぐ住宅街になる一つの道、小雨のあとの綺麗な空気の中に、葱が青々と並び伸びていた。丁度一軒分の敷地くらいの広さ。代替わりしたのだろうか。