初対面の握手の痛し夾竹桃
学生にとって、スウェーデンと日本との大きな違いは、食べ物の値段だろう。
ストックホルムで外食すると、とにかく高い。おいしいディナーを食べようと思ったら少なくとも日本円で2000円は覚悟しないといけないし、ランチも基本800~1000円近くは当たり前である。日本にある「かつ丼550円」「かけそば一杯400円」といった、学生向けのお店は見たことがない。
かといって、コンビニに行くとセブンイレブンのサンドイッチ2ピースが400円以上する。いわゆる「お弁当」になると700円を超える。最初にコンビニに来たときは、その値段設定の高さに、憤慨しそうになった。許せるのは85円のバナナだけである。
かくして自炊生活が始まった。不精者なので食生活の6割をパスタが占める。初めて駅前のスーパーで買い物して帰ってきたら、バングラデシュ人のショブレ(仮名)が話しかけてきた。これが彼との最初の出会いである。
「それ、どこで買ったの?」「ああ、駅前のコープだよ。」「あそこはすごく高いよ。バスに乗ったら安いスーパーがあるから、明日一緒に行こう」「ありがとう!なんでそんなに僕に優しいの?」「これから一緒に住むんだから、僕たちは家族同然さ。」彼の英語はゆったりとして、スウェーデンに着いて間もない僕の耳でもなんとか理解できた。日本とバングラデシュの国旗は、よく似ている。果たして人間は、どうであろうか。