雷雨のスーパー奇妙な果実紛れ込む
レイ・ブラッドベリ『とうに夜半を過ぎて』は、最近河出文庫から復刊されたので中身は簡単に読めるが、私が最初に見たのは集英社文庫版が出た1982年、それもちょっと変な場所でだった。
当時、Aコープという農協系のスーパーが町外れにあって、その一隅でなぜか本も売られていたのである。
これも買おうかどうしようかと何度か手に取りつつそのままにしてしまい、ずいぶん後になってからその集英社文庫版で手に入った。
句の自解めいた情報を付け加えておくと、ビリー・ホリデイの歌う「奇妙な果実」はぶら下がった死体のことであり、『とうに夜半を過ぎて』も事情は違うが、ぶら下がった死体をめぐる奇妙なやり取りの話である。
なお作者のブラッドベリは91歳でまだ存命。
最近、『華氏451度』のデジタル化をついに許諾したとのニュースが入った。
焚書される未来社会を描いた作品そのものまでが、デジタル化される時勢となったわけである。
