指吸ひの子の寝付くまで古団扇
色々な高校を回って句会やディベートをしていると、兼題で詠むのが苦手という生徒も時々いる。多くは「虹」「向日葵」など、季語自体を兼題にするが、「スポーツ」「映画」のようにテーマを題にすることもあれば、季語でない「指」「机」などの単語が題になることもある。最近は俳句の「はい」という音が入るものや、宇和島の「うわ」という音が入るもの、というように音を詠みこむ題も多くなってきた気がする。
季語が題であれば、連想ゲームをして、簡単には思いつかないような意外性のある言葉を取り合わせるというのも比較的簡単だ。しかし、季語以外の言葉が題の場合は、後からつけた季語がイメージに合わず、季語が動いてしまうというので苦手と感じるようだ。
季語以外の兼題の時に僕だったらどうやって詠んでいるかというのを、今年の俳句甲子園の兼題である「指」の例でいくつか挙げてみたい。
①「指」のつく言葉を探す。(指揮者・指文字・人差し指等)
②使いたい言葉を選んだら、その意味やどんなイメージを持っているか考える。(指=創造 性・繊細さ・表現力等)
③選んだ言葉に関する記憶や、周りにありそうなものから言葉や季語を拾う。(指吸い=乳 幼児期・親・昼寝→幼い頃の寝苦しい夜には母がずっと団扇で扇いでくれた等)
④客観的に、どこにでもありそうで誰にでも分かる、納得できるように言葉を整える。
そうしてできたのが今日の句である。保育園などで働いて、子育てというものが身近になるにつれて、日常の様々なところに親の愛情を感じられるようになった。伝えたいことを詠むというのもとても大切なことだ。