晩冬をやたら爆発する映画  野口る理

確かに、アクション系で、やたら爆発のシーンを繰り返す映画はある。そういうのはあまり見ないけど、そういうのじゃないと思ったら、そういうのだったことがある。この句はそんなことよりも、作者のこの冷ややかな視線が気になって仕方ない。「やたら」という措辞からは、嫌悪感しか感じられない。「晩冬を」は、ただ晩冬の季節に、という意味だろうが、この省略にもすこしの嫌悪感を感じる。

寝不足の晩夏をすべる目玉焼 野口る理

この句も同じように、「寝不足の晩夏を」とある。比喩というべきか、省略というべきか、判断しかねるが、この措辞は気だるさを生み出している。目玉焼のすこし眩しい黄色と白に、ちょっとした嫌悪感を感じているのだろうか。

この、る理さんの句によく感じる、気だるさみたいなものは何なのだろう。そして、何でちょっと魅力的なのだろう。