2013年1月29日

真昼かな逢瀬の淵の薄氷

 席題で作るのは苦手だけど、えいっと自分を捨てて、名句を作りたいなんていう野暮な野心を捨ててしまうと、こんな面白い遊びはない。正気では書かない俳句がひょこっと現れることがあるし、それが案外、本音だったり書きたい事であったりするから不思議である。この句、題は何だったか。
 ゆとりのある状況で、よく考えて書いていると、生まれてから長い時間を掛けて知った良識や常識というものの範疇から出られないことが多い。だから子規は一つの席題だか兼題だかで沢山作ったのだろう。前もって知っていたことがなくなったところからの一句のために、そうしたのかも。
 正気では、素面では、言えないことが、本当の言いたいことだったりする。