幸せが幸せを呼ぶ五月かな
さ、式当日、ぴっとスーツにネクタイ姿で麒麟の両親を迎えに行き、その時点で「立派になって…」ともうウルウルでした…。息子というのはたまにスーツ姿も見せてあげた方がいいのかもしれません。
お腹が空いてはいけないと麒麟父は会場でサンドイッチを食べていましたが、いきなり勝負シャツにマヨネーズをつけていました…。サンドイッチをムシャムシャ食べる両親を見るのも、なんだか幸せそうで嬉しかったりしました。
さて着替えの時間です。僕は紋付き袴に家紋は西村家の「下がり藤」、A子は白無垢に綿帽子、白無垢には僕の好きな鶴の刺繍、西村家の藤の刺繍。
さて、二人揃ったところで控え室へ…
こういう時はなんと言っても主役は女性ですから、白無垢姿を見てA子父だけではなく、西村父も泣き始め
西村父「綺麗な子じゃあ、良い人が来てくれた…、良い人が…」
田舎の両親の方言は涙を誘います…。
神前式というのは20分ぐらいで終わってしまいます、ほんとあっという間で…
やりましたよ、あの巻物(誓詞)読むやつとか、盃交換(三三九度)とかやりました。あれね、実際やるとあっという間のわりに、ジーンと来るもんです。
さて紋付き袴、A子は白無垢綿帽子、着るのはかなり時間がかかるのですが、脱ぐのはすぐ、スルスルぽんってな具合です。
式後、同ホテルにて食事会。部屋からは東京タワーが綺麗に見えて、まさに「東京物語」でした。
それぞれの机にはA子が前日に作成した「麒麟十句」と食事のメニューが、なんと人数分手書きで…、偉し。
以下はそこに書かれていた麒麟十句、A子の両親が信州出身である事や、A子妹が合唱、A子母がヴァイオリンをやる事、さらには麒麟父母が読める漢字を、という事を考えて選んであります。
西村麒麟十句
初晴や西国は山愛らしく
燕来る縦に大きな信濃かな
夕焼雲尾道は今鐘の中
千光寺親しき寺の夕焼けて
鈴蘭や歌の上手な姉妹
深空よりあきつの湧ける信濃かな
母の書く冬満月のごとき文字
父は我がTシャツを着て寝正月
春を待つ大きな鳥のごとき指揮
鶯や一人残らず幸せに
新郎父の挨拶で、麒麟父が不器用なりに実直なスピーチをしてくれまして、A子父がウルウルと泣いているところなど、なんともあったかい場面でございました。
僕がこんなダメな人間でもA子の両親がどこか許してくださっているのは、日頃からA子が両親に、雑誌や新聞に載った僕の記事をこまめに見せたりしているからだと思います。A子よ、何もかもあなたのおかげです、感謝感謝。
結婚式、やればやったでいいもんです。
ね、A子ちゃん、一ヶ月この連載どうだった?
「恥ずかしかったけど、楽しかった。写真で参加が出来て良かったわ。読んでくれた皆さん、ありがとうございました。スピカ三姉妹さん、ありがとう。」
幸せにやっていきましょう、よく笑ったりして、ね。
皆様、一ヶ月間ありがとうございました。まだまだのろけ足りない気は致しますが、一旦この辺りで。
じゃ、またいつか!