立ててよき指は親指リラの花
海外に住むならば、トラブルを覚悟しなくてはならない。日本だと当たり前だったことが、できなくなることは必至である。僕が入寮した時は冬だったので、かなり寒かったことを覚えている。日本から持ってきた電気毛布をコンセントに差し込んだ瞬間に「ボンッ」という音が鳴り、焦げ臭い匂いが立ちあがった。もともと海外の電圧に対応していない製品だったのだ。これは序の口で、こちらに来てから、他にも数えきれないほどのミスをしている。
もちろん、僕自身がおっちょこちょいなのも原因のひとつなのだが、キャッチできる情報の少なさに問題があるということに気づいた。看板も広告も、ほぼスウェーデン語。英語のコミュニケーションは不安定で、通じないことも多々ある。強調したいのは、自分が英語を話すことよりも、相手が言ったことを正確に聴きとり、理解する方が大事で、そして難しいということである。自分が目にし、耳にする情報が、何についての情報なのか理解できない時に感じるストレスは甚大だった。そのストレスにより集中力を欠いた結果、パソコンをなくす、電子辞書を二度も壊す、道に迷うなどのミスを犯したのだと、自分で分析している。5か月経った今は、慣れたのと諦めがついたのと、ほんの少しだけスウェーデン語を勉強しているのとで、まずまず正常な生活が送れている。
ちなみに、元々多い白髪は倍以上に増えた。こういう時は俳句に助けてもらいたい、などとたまに思う。でも、いい句が作れるなら、髪が真っ白でもいい。