塗り替えし路面電車や今朝の秋
路面電車の走る街には縁がある。中四国地方では広島、岡山、愛媛、高知の四県に運行していて、その各地の俳人達も、よく句材として使っている。
馴染みのない人も多いと思うが、車の走りにくい市街地ではスムーズに移動でき、安価なので大変便利である。バリアフリーの超低床型路面電車「グリーンムーバー」や、観光資源にもされている旧式のものなど様々あって、熱心なファンにも会ったことがある。最近では高知で萌えキャラが全面に描かれたものが走っており衝撃的だった。地元の高校生は「イタ車」(萌えキャラをボディに描いた自家用車を「イタい車」ということでそう呼ぶ)にならって「イタ電」と呼んでいるらしい。
1945年8月6日の原爆投下により、広島市はそのほとんどが消失。当然交通機関も機能しなかったが、その3日後には一部路面電車の運転を再開するという、半ば耳を疑うような話がある。(当時の車両は今でも定期的に使われているらしい)その後、昭和40年代、車社会の到来と共に多くは姿を消し、また近年エコロジーが叫ばれはじめてから注目を浴びて現在に至る。そのため、戦争、昭和の暮らし・復興・流行り廃りなど、「路面電車」という単語からはドラマが見えてくるものである。