夜濯ぎや揃いの藍のユニフォーム
俳句甲子園に出場する高校によっては、ユニフォームがある。胸にアルパカのマークがついていたり、背中に「一句入魂」と書いてあったりと個性豊かだ。自分の母校には無かったので少し羨ましい。
毎日10句詠んでは顧問の先生経由で俳句の師匠にFAXしてもらうということを続けていた高校時代。それでも手持ちの歳時記に載っている季語の何分の一かは手付かずだった。「夜濯ぎ」はその中の一つ。幾ら詠もうと思っても何だか実感が湧かない。自分が深夜にこつこつと句を詠んでいる間、盛大な音を立てて洗濯機は回っている。時には自分でも自分の服くらい洗うが、何か違う……。結局就職して、職場の子ども達の服を洗うようになってから初めて使った。生活を営む致し方無さや、家族への愛情など、かつての自分には、夜濯ぎを詠むべき何かしらが足りていなかったのだろう。もちろん、頭で想像した句も詠むが、実感というのは大事だなとしみじみ思う。生活環境が変わる度に使える季語が増えていくのだとしたら楽しい。