ためらはず昼寝の人に話しかけ   星野高士

さらりと書かれているが、この人はちょっと変わっている。眠っている人に話しかけるのだ、ためらわず!
〈昼寝の人〉がなんらかの比喩と読むことや、眠っている人と話しかける人の関係性をあれこれ深読みもできるかもしれないが、あえて、天然のヤバさを楽しみたい。
俳句定型にかかれば、ヘンであることも、なにげなくさりげなく表現することもできるのだ。

『破魔矢』(牧羊社、1985)より。