地下鉄の色を乗り継ぐクリスマス   望月周

無機質なようでいて「地下鉄」とはカラフルなもの。
路線図の上での記号としての「色」もあざやかであるし、
駅のホームも、そこにすべりこむ車体も、その線の色にいろどられている。
走る車窓は真っ暗であるからこそ、乗り降りする際の「地下鉄の色」はより際立つ。
なにげない移動も「色を乗り継ぐ」ということで、また違った景色が見え得るし、
なにげない毎日も「クリスマス」があるということで、特別な日々となり得るのだ。

『白月』(文學の森、2014)より。