初夏やしづかな河原まで家出 江渡華子

この頃、作者は結婚してあたらしい生活が始まる。

ひとりとひとりが一緒に住んでふたりとなる。ひとりで暮らしていたら家出なんてしたって意味がないのだから、家出が出来るということは、ふたりになれたことのしあわせの証なのだ。それでも一つ屋根の下で暮らせば、思い通りにいかないこともあって、ささいなことで言い争ったりすると、ふたりのなかのひとりひとりが顔を出してきて、心を孤独にさせる。そんなときは思いきってひとりになってみるのがいい。
「しづかな河原まで家出」。なんて素敵な家出をしたものだろう。初夏の風に吹かれて川の流れを見ているうちに、いつしか心の孤独もいやされて、またもとのふたりになるために家へと戻っていくのである。