大寒のベビーベット組み立てて   江渡華子

第一句集『光陰』(赤々舎)を読んだとき感じていたことを、今回読んでいて、改めて感じた。それは575でありながら、それをも飛び越してしまう独特のリズム感がある。そのことを「一音飛ばし」と(勝手に)名付けた。所謂中6のことなのだが、単に中6というよりは、最後の一音をどっかに飛ばしている。どこかは知らない。宇宙の彼方かもしれない。でも飛んでいる。
この句の場合も、「ベビーベットを」なんてしたくなる。だが焦ってはいけない。これは一音飛ばしなのだ。「ベ大寒のベビーベットを組み立てて」にすると、大寒の日にベビーベットを組み立てている景が浮かぶ。しかし「大寒のベビーベット組み立てて」だと、大寒の日にベビーベット(をねえ)組み立てて、と「組み立てて」が台詞に早変わりする。もちろん、組み立てている、という景も読めるが、台詞調としても読めるのだ。
「大寒のベビーベット(をいいかげん)組み立てて」と。

2014.1.20「はなこのはらのこ」