アリクイに羽のやうな尾天高し   野口る理

 私はアリクイが好きで、すこしカーブを描いた長い体といい、口元といい、手足といい、見飽きない。「アリクイ」とあるだけで無条件に吸い寄せられてしまったのかもしれないが、この句の「羽のやうな尾」に納得した。「天高し」と言われる快晴の空の下、ゆさゆさと尾を掲げながら歩く姿が目に浮かぶ。

 同じく動物園での作と思われるが、〈パンダより縞馬硬き良夜かな〉という句もあった。「パンダより縞馬硬き」が的確。あまたの動物の中から選んだ「(硬き)縞馬)」に対して「パンダ」をもってきた距離の取り方が興味深い。

「眠くなる」(『俳コレ』邑書林、2011)より。