「海をもつ」 江渡華子

「海をもつ」 江渡華子

ひたすらに夫を罵倒する夜長
寝返れば胎児揺らめく秋時雨
身の中に海をもちたる秋の暮
コスモスよ誰も見つからざる森よ
富士の初雪カップの中身冷めなくて
覗かるる土瓶のなかの松茸は
夫の手ただ胎動を待つてゐる