「右耳」 江渡華子

20140401_migimimi

囀りは我が身に降り積もると信ず
どの家も春の窓ガラスの揺れる
春雨やお湯の沸くまで喧嘩して
円卓に椅子を足したる朧かな
封筒を空つぽにして四月馬鹿
オムツ買ひに春の嵐のなか行かん
さくらさくら私に右耳をください