「空缶」 神野紗希

「空缶」 神野紗希

空缶にちちろ一匹分の闇
洋梨の芯よりラヴェルひびきくる
落鮎に割れた鏡の光かな
月の石そのへんの石そぞろ寒
青年に化石のかたさ鳥渡る
砂時計返せば風の芒原
目の手術終えてひかりのマスカット