「空耳」 野口る理

「空耳」野口る理

逆立ちの脚の触角めく余寒
象洗ふ水の力よ梅の花
天真爛漫すみれを割き続けてゐる
自転車に結ぶ風船ぎゆりぎゆりす
空耳の一環として若布の香
春分をティーバッグの浸かれるままに
蜂蜜の暗きところに蜂の記憶