2015年11月29日

囲碁の昼冬の波音しめ出して

初めて参加してみた第47回「みかんの里吉田町全国俳句大会」は、ほのぼのと心地よい大会だった。松山駅から1時間半ほどの山間の駅に着くと、会場である吉田町役場までのピストンバスが待っていてくれる。
会場の入り口には賞品用の蜜柑の箱がどっさり積まれていた。今年は、この愛媛の片隅に全国から約二百名の俳句愛好家が集まるらしい。

ゲスト選者の高野ムツオさんによる講演では「俳句が映し出す世界」と題して、東北大震災を詠んだご自身の俳句を、震災の生々しい映像をスクリーンに映し出しながら、解説された。高野さんはまた、仙台に縁の深い芝不器男のファンであり、昨日は不器男記念館まで足を延ばされたことも話題にされた。

休憩のとき、席を立たれた高野さんと目が合った。なんと「記念館で、ネンテンさんとの不器男の本を買ったよ」と言って下さるではないか。有難いなあ。
仙台からの参加者のお一人が「蜜柑が木に成っているのを初めて見ました」と、発言されたのには驚いた。

長丁場を、会場を退屈させることなく進行される大会委員長の井上論天さんには、頭の下がる思いがした。論天さんは、地元の俳句結社「加里場」主宰。
今年は参加できなかった神野紗希さんの代役を、森川大和さんが見事に果たされた。
ぽかぽかした気分で会場を後にした。