2015年1月28日

虫絶えぬ鏡の板に囲まれて

目が覚めたとき、裏側に闇を感じた。
眠っていた間として、厚みのある闇があったように思った。
私の眠っていた間が決して0でなく、ある厚みをもっていたことを知った。

と、次の瞬間に目に見えたのは、天井だった。
手術室の照明塔のある天井。
まずは薄明るく見え、次の瞬間にはもっと明るく感じられた。
目が覚めると同時に表れたその光、明るさは、
先に感じられたあの闇の、手前にかぶせられた「蓋」のように感じられた。
私の全体に、とても眩しい「蓋」が、かぶさったのだった。