2014年4月2日

もくれんの花の熟れゆく月夜かな

梅が咲いて、桜が咲く。そのあいだの束の間を咲く木蓮は、私がこころを寄せる花の一つです。大きな毛皮の衣を脱ぐようにしてあらわれる純白の肌。当たり前なことなのにこの花を見るととりわけ、嗚呼、生き物だなぁ、と思います。清純だけれどどこか生々しい。得体の知れない美しさがそう思わせるのかもしれません。散り際の醜さはきっと、いつの世にかその美しさを羨んだ誰かの嫉妬のせいじゃないかしら。