2014年8月1日

機関車の黒が白夜を噛みくだく

メーカー :S.T.Dupont
名   称:Orient Express, Prestige Collection、 2013年限定 512/883
ペン先  :18K, M
軸など  :ラッカー、ゴールドプレート、マザーオブパール、元箱一式(ペンホルダー、ペーパーナイフ、ローラーボールの首軸)
吸入方式 :カートリッジ/コンバーター両用式
購入日時 :2014/4/29
1481
 S.T.Dupontと言えば高級ライターというイメージかもしれない。もともとは高級革製品、高級バッグを扱っていたが戦前からオイル・ライター製造に乗り出す。さらに旅行鞄に用いた漆の技術を生かして1970年代に万年筆製造を開始する。
 デュポンは1989年からほぼ毎年、世界の偉大な或いは記念すべき土地や人物などに捧げた限定品シリーズを発表している。同様のデザインのライターとセットになっているのだが当方はライターには興味はない。筆者が持っているだけでもこの「オリエント急行(2013)」の他「テアトロ(1997)」「メディチ(2005)」「ヴェルサイユ(2006)」など魅力的なラインナップだ。
 デュポンの万年筆は(デフィなど一部を除けば)金属製で重い。とても実用に向いているとは思えない。だが飾りとしては秀逸だ。このオリエント急行プレステージ・コレクションでは万年筆をペーパーナイフが内蔵されたペンホルダーに載せるとまさしく蒸気機関車そのもの。コレクター心、というより大人になった子供心をくすぐる。
 パリ‐コンスタンティノープルを結ぶ国際寝台列車「オリエント急行」は1883年に運行が開始され、アガサ・クリスティの小説の舞台になったりと長らく旅行者の憧れであったが今ではパリ‐コンスタンティノープルの直通列車はなくなってしまったそうだ。