さう思ふことなくはなく年詰まる
さう思ふ
割とはっきり覚えているのだが、
この句を知ったのは谷雄介さんがきっかけだ。
場所は確か谷さんの家で、僕と藤田哲史と大穂照久さんと4人で題詠をやったとき。
谷さんが出した題が「UMF」だった。
「あの、谷さん、UMFってなんですか?」
「さぁ…?」
で、谷さんの出した句が下記の句だった。
若干あきれつつ、しかし帰り道に、
「でも、『さう思ふ』っていう締め方は好きだな」
と言うと、
「澄雄にある」
と藤田は事もなげに答えた。
実際に澄雄の句の全貌を僕が知るのはそれから暫く後のことだったが、
「さう思ふ」の響きは長い間僕の中に残った。
妻がゐて夜長を言へりさう思ふ 森澄雄 『所生』
瓜売りがUMF(うむふっ)と言へりさう思ふ 谷雄介 (出典があるかどうか不明)