2015年1月10日

なかぞらにつめたい本のうらおもて

……ふだんは被膜にいる。

しかし天災のとき、いやがおうもなく自分は、被膜の内側へと引っ張られ、
その眩しい奥へと埋没しそうになるのを感じた。

と同時に、被膜の外側には大きな目があって、その目は埋没する自分を見下ろしていた。

これはどうにも不思議なことで、つまり、
埋没していく自分と、見下ろしている自分と、二人の自分がいたことになる。

天災に際して得た、自分が歴史の中にいるという確信は、
この、自分が二人になる感覚に結びついていたように、今思う。