2015年6月29日

風鈴に風音もつれこんでいる

写真0629

山を下ってくると、家ではレラさんが縫い物をしていた。滞在させてもらったお礼を言おうとすると、帰りのバスで食べるように、おにぎり握っていきなさいと言う。札幌までの高速バスが来るまであと少ししかなく、急いで大きなおにぎりを握った。またおいでと笑うレラさんに挨拶をして、外に出た。
バス停で、おにぎりの暖かい塊を両手で包んでいた。山を散歩したときに感じた、しんとした空気が緩んで、眩しい朝が来ていた。二風谷に吹いている風を忘れぬように息を深く吸い込んで、物語の終わりに佇んでいた。