水音のたゝく淀みや立葵
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果音さんがTwitterにこんなことを書いていてひどく感心した。
パソコンで「果音」が出てこなくて悔しいから、「効果音」って打って「効」を消してる笑
果音さんはTwitterのフォロワーさんで、会ったことはないので分からないがたぶん名前はカノンと読むのだろう。たしかにカノンと打ち込んで一発変換はできないかもしれない。それでこの人はいつも自分の名前を書くたびに「効果音」と打っては「効」を消しているのである。名前を打ち込むことは多いだろう。自分の名前を打つ、という行為がこの人にとっては「効果音」と打って「効」を消す、ということになっている。
生活のリアリティはそんなところにあると思う。
自動化したそんな行為の繰り返し。堀下翔も出てこない。「ほりした」と打てば「掘りした」になるからまず「ほり」で区切る。「した」と打てば動詞と判断されるのか知らないが平仮名のままだ。候補の少し先にある「下」を毎回探す。「かける」はもっと出てこない。PCで「かける」と打てば「駆ける」「掛ける」「×」などの先に「翔る」が出てくるから「る」を消す。スマホはなぜか「かける」ではなく「かけり」でないと字が出てこない(翔るは四段動詞なのである)。「かけり」なら一発で「翔」が出てくる。だからおれは毎日のように「ほり/した/かけり」と打つことで名前を書いている。