望遠鏡たたんで旅へ桃咲く日
前略
spicaのみなさんに春休みをいただいたので、一度あの天体観測室を開け放って、ひと月のあいだ、この広大なインターネットの宇宙へ旅に出ることにしました。で、旅立つ前にその計画を紗希さんにお話したら「それやったら、旅先から読者のみなさん宛てに手紙送ってよ。一日一句つけて、三月いっぱいやから三十一句。どうですか」
なんだか、春休みといいつつ書く分量が増えているような気がしてならないのですが、頼まれてしまったからにはしかたない。それに、旅をしながら俳句を詠むってのもわるくないでしょうし。ほら、松尾芭蕉も『おくのほそ道』に「古人も多く旅に死せるあり」って書いてるように、僕ら人類はアウストラロピテクスだったころからずっと地球を旅しつづけてきたわけですし、って、それはちょっと違うか。
そういえば、『おくのほそ道』で芭蕉が北へ旅立ったのも、ちょうどひな祭りの時期でしたね。spicaのみなさんの家でも、お雛さまを飾ったりするんでしょうか。
それでは、いってきます。
草々
3月1日
“spica – 俳句ウェブマガジン –“(http://spica819.main.jp)より
福田若之