2013年1月1日

堪(こら)え性なくて昇ってきて初日

新年早々私事ですけど、思えば、いえ思わなくてもですけど、私の知っている限り私はずーっといつも生きていた。だから私が知る前にも此の世があったなんて実感がわかない。ですけど、かすかながら知識ってものがあって、累代の人々の存在を意識しているような口のきき方も時にはする。そしてそれは、実感としてではない、と言いそうになると背中がざわざわする。
世の人々の殆どが、やっぱりそんな感じで生きているのかしら、と思うと、混んだ歳晩の地下鉄で、揺れるたびに足を踏みそうになったり肩触れ合ったりしていた誰彼や、新しい年の幸いを願って、長い行列の中に居る初詣の人々が、近しく切なく愛おしくも思われてくる。
まるで知らん顔して私たち、別々に、でも一緒に、生きて年を越したんですねえ。