終電は鯨のぬくさ次は浅草
土肥あき子さんに「水温む鯨が海を選んだ日」という句がある。
鯨はその系統を遡っていくと、偶蹄目に近い種に行き着くらしい。
つまり鯨は、カバや牛、キリンといった動物群と共通の祖先を持つということになる。
※なお、現在は「クジラ目」と「偶蹄目」が統合され、
「クジラ偶蹄目(Cetartiodactyla)」という分類を用いるのが一般的とのこと。
あの日、彼等は海に戻ることを選び、僕達は陸にとどまった。
鯨の遠い眼差しに強烈なノスタルジーを覚えるのは、
僕達が彼等にある種の「負い目」を感じているからかも知れない。
以下、鯨の登場する句をいくつか。
射精する鯨よ日本は桜吹雪 遠山陽子
いつの生(よ)か鯨でありし寂しかりし 正木ゆう子
われ鯱となりて鯨を追ふ月夜 眞鍋呉夫
曳かれくる鯨笑つて楽器となる 三橋敏雄