月光の わがまなぶたを搏つ 翼  富澤赤黄男

「月光の」と書き出されて、宙ぶらりんで忘れ去られた月光。翼は月光できよめられて、清冽な衝撃をまなぶたに与えるだろう。その翼は、わがまなぶたを打ち、そのまま月光の中へと消えてゆくのか。月光、まぶた、翼の三点を、ブランクが切りながらつなぐ不思議な形の一句。

第二句集『蛇の笛』(三元社 昭和27年)より。
明日、3月2日は、愛媛県八幡浜市にて、第29回富澤赤黄男顕彰俳句大会が開催される。八幡浜市文化会館中ホールで12:30~16:00。私も選句・講評などさせていただく。お時間のあるかたは、ぜひ。