姫百合の傾きて長き莟かな  松瀬青々

「長き莟」という表現がすごい。たしかに姫百合の莟は「長き莟」だが、ここまで端的に言い当てるのはなかなか難しい。「傾きて」が描写にさらに精彩を加えている。一物仕立ての句は本質をずばりと捉えてくるところが魅力だが、この句もまさに姫百合の立ち姿の芯を捉えた。

『松瀬青々全句集別巻 青々歳時記』(茨木和生監修松瀬青々全句集編集委員会編 邑書林 2014年4月)より。