春の月うす桃色につくし煮て  仲村青彦

野で育ったつくしの灰汁のよどみが、春の月の半透明のうるみと重なる。緑や土色の印象のあるつくしも、煮れば「うす桃色」になるのかと、春のあたたかみを実感する。やさしく美しい一句だ。

『自註現代俳句シリーズ 仲村青彦集』(俳人協会 2013年12月)より。