水着なんだか下着なんだか平和なんだか  加藤静夫

ビーチで水着の女性たちを眺めている。あまりに露出が激しいからか、はたまたレース生地などの素材感なのか、下着と見まがう水着ばかりだ。もはや下着の人が混じっていても、見分けがつかない。そんな奔放でトンチキな水着の風景に、作者は「平和なんだか」と、トホホと呟く。そのトホホな呟きこそが「平和」だ。平和だから、この風景があるのだ。平和じゃなかったかつては、華美な生活は非国民の証だった。

リフレインの楽しさに、俳句のぎりぎりを攻めるスリルが乗っかって、気持ちがいい句だ。「鷹」2014年7月号50周年記念号別冊、「鷹の百人」より。さすが加藤静夫、の一句。