夜と言ひ晩とも言ひて衣被   星野高士

朝昼晩という中で、確かに、晩だけが「夜」という言い方も持つ。朝昼晩という言い方を一番使用するのは、食事を表す時ではないだろうか。食卓に出された衣被を見て、これは夜に食べる晩御飯なのだなと思い、ふとそのふたつの言い方の面白さに気付く。衣被のもったりとした食感、しかし小さいだけに、すぐ口の中から消えてしまうその特徴は、「夜」と「晩」に持った疑問も持つ特徴なのではないだろうか。

句集『顔』(2010年 角川書店)より。