四捨五入すればおたまじゃくしに足  原田浩佑

あのつるんつるんのおたまじゃくしに足が生えてくるというのは、よく考えてみれば本当に不思議な話だ。おたまじゃくしとして進んできた生のベクトルがいきなりカクッと方向を変えて、蛙へと向かい始める。四捨五入も、6が10になったりするわけだから、これまた大きな変化である。おたまじゃくしの足という大きな変化と、四捨五入という大きな変化、似ているといわれればなるほどなるほど。
内容や述べ方が大雑把なのも、「なぜおたまじゃくしに足が生えてくるのかよくわからないけど、なんか一足飛びに成長してるんだよね」というわれわれの大雑把な了解と、しっくり合っている。

「円錐」2014年冬号、原田浩佑特集内、第四回芝不器男俳句新人賞坪内稔典奨励賞受賞作品より。