父と子を冬の星座の中におく  小島健

星座には、それぞれ物語が存在する。冬の星座の代名詞とも言えるオリオン座は、アルテミスがアポロンにだまされてオリオンを矢で殺してしまい、悲しみにくれて夜を照らす仕事をできずにいるのを、見かねたゼウスが星座にしてアルテミスが夜を照らすときに側を通ることができるようにした等、その多くは神話だ。大昔、それらの神話は口頭で語られ伝えられただろう。今、一人の親が子に寝物語を聞かせているのだろう。それは、親子を題材にした、少し悲しい話なのかもしれない。「おく」とすることで、「今」その星座が出来上がったことがわかる。

句集『現代俳句文庫67-小島健句集』(2011年 ふらんす堂)より。