湯婆に足置き遠い星のこと  太田うさぎ

冬に、お風呂上りで窓を開けるのが好きだった。その景とは関係ないけれど、暖かいものを得ると、人は冷たいものを考える余裕ができるものだ。オリオン座がなくなるなんて噂が出たななど(本当にそうなるかもしれないけど)、そこに人は住んでいたのかなんて考えたりする。「こと」と締めることで、少し自分から距離が置かれることで物語性が少し強まり、妄想のようで、湯婆に誘われて眠り、見ている夢のようだ。

「シナモン」 週刊俳句397号2014年11月30日より