時間が経てば、花氷も溶けて、そこには水があるばかり。その風景には、すでに何かが終わってしまった、大切な何かが過ぎ去ってしまったあとの、懈怠がある。
「時間は水になつてゐる」という表現も哲学的である。「花氷は水になつてゐる」のなら当たり前だが、まるで、時間そのものが水になっているような言いぶりだ。さっきまで花氷だった、ぬるく緩んだ水が、具象化された時間だとしたら……やはり、この世界には、決してとりかえしのつかないことがいくつかあるのだと、思い知らされる。
作者は立教池袋高校3年生。神奈川大学全国高校生俳句大賞第17回最優秀賞受賞作品より。