華子さんの句には、やはりとでもいうべきか、吾子俳句が多かった。
赤子突進室の花まで食ふつもり 江渡華子
赤ちゃん用甚平洗濯機のなかへ
活発な赤ちゃんなのだろうか。華子さんの生活の中に常にいる赤ちゃんが、作者と同じようにありありと姿をみせてくる。
掲句。これも、今まで取り上げてきた句と同じように、「おかしみ」のある句だ。「ひざまづき」は、相手に敬意を示すときにする動作のひとつだ。だから、子どもにひざまずくのは変だが、ただ、確かに赤ちゃんに食べさせるとき、都合上、ひざまずくこともある。「ひざまづき」と「与へたる」が、当然とでもいうかのように、結ばれているのがおもしろい。