なんでもないんだけど、元日独特の、家の様子がみえてくる。その雰囲気に馴染めている人と、そうでない人。さぐりさぐりに話す人と、そうでない人。そのなか、菜箸にふと目がいった。餅がこびりついていた。ただ、それだけだが、細かいところを描いている。「こびりつく」という表現は、あまり詩的な言葉ではないが、そう言うしかない。そうだったのだから仕方がない。わたしは、この言葉の俗っぽいところも、現代の元日感があっていいと思った。
ミクロな世界を描くことで、その周りの雰囲気も感じさせる句だ。
麦茶飲み干せばティーバッグの重し 江渡華子
この句もそうだ。当たり前っちゃ当たり前かもしれないが、華子さんの句は、まず生活があって、俳句があるという感じがある。いい意味で共感性が高い。華子さんは、本当に、日々を丁寧に生きている方なのだろう。