羊抱く枯草承知の上で抱く  野口る理

枯草を承知している上で、羊を抱きしめているということは、それなりに強く抱きしめていると思う。が、なぜだろう、羊に対する愛情が全く感じられない。無表情で抱きしめているイメージが浮かぶ。ものすごい「枯草」感だ。

こう思うのは、「承知の上で」という措辞によるものだろう。詩の言葉でもなく、日常語でもなく、かなり畏まった言い方だ。ドラマ「ガリレオ」の湯浅先生なら言いそうな感じ。湯浅先生のように、この句にも感情や抒情といったものがみえない。

ここまで冬らしいと、ちょっとおもしろくなってくる。