点されて村となりけり夜の雪  江渡華子

まるで蕪村の「夜色楼台図」を見ているような気分にさせてくれる句だ。ここには温もりのある静けさがある。点された家々の灯り。その灯りが寄り合うようにひとところにかたまって、闇の中に息づいている。しんしんと降りつづく夜の雪に包まれるように、一村が息づいているのである。