永遠に石鹸の匂ひして鶴は  遠山陽子

鶴という鳥が、イメージとして携えている清潔感と、その羽のぬくもりのある白さが、「石鹸の匂ひ」という飛躍した比喩によって立ち上がる。言葉自体がなまなましく香る句。石鹸の日常性が、永遠や鶴といった立派な語を、俳諧に仕立てている。

角川「俳句」2016年2月号、作品16句「真神札」より。